私が写真をお仕事にするまでの
原点となる経験を書いています。
横浜で生まれ、広島でフォトグラファーとして
独立しました。ぜひご覧ください。

YOKOHAMA

写真好きの父の影響で、カメラを身近に過ごしました。3歳からジャズダンスをしていたこともあり、父に撮ってもらうのが、ただただ嬉しかったのを覚えています。初めて自分のカメラを手にしたのは10歳の頃。写真好きの父が42歳の若さで病死したあと、母が私に買い与えた一台のフィルムカメラでした。しばらく写真から遠ざかる生活をしたものの、学生時代に写真を再開することに。

沙漠緑化の研究のため、3年間、中国内モンゴル自治区で文化人類学的フィールドワークを経験しました。研究記録のためにモンゴル民族の生活を撮影する中で、日常の中の被写体が持つ美しさにハッとします。また写真をとおして彼らと交流を深め、写真で喜んでもらうことを知りました。これがフォトグラファーの原体験です。

大学院卒業後、マーケティングの分野で働くも3年後に一念発起。フォトグラファーへの第一歩を踏み出します。写真集「東京タイムスリップ」などを今では手掛けるフォトグラファー、善本喜一郎にアシスタントを直談判。写真を基礎から学びます。「写真は愛だ。とことん被写体に愛を注げ」とは、今でも大切にしている師匠からの教えです。広告写真家の元で、ホンモノの写真に溺れたアシスタント時代が、コバト写真館の礎です。

HIROSHIMA

コバト写真館を立ち上げた翌年の2011年。結婚を機に、知り合い1人いない広島に転居します。マーケティング経歴のある異色なフォトグラファーは、新天地でありがたくも重宝され、地元に根差した事業主から広告制作の依頼をいただくようになりました。同時に地域おこしにも携わり、里山に息づく伝統文化や人々の営みの中で、撮影活動を続けています。こうやって随分遠回りをしたけれど、だからこそ撮れる、広告写真や家族写真、子育て写真やアーティスト写真。プリント業務をしていたから、もちろん印刷にだって拘ります。かつて国際協力を目指した農学生は、今では写真で世の中に貢献したいと願う、二児の母になりました。
コンテンツクリエイターチーム「コトのハ」を、2024年に始動。

文 あきもとなおみ
@akimoto.naomi_koketoriko

 
 

中国内モンゴル自治区ホルチン沙地